與兵衛桃林堂の河内物語拾遺 河内片片

河内物語拾遺 河内片片

Latest Update : 2007.10.10

河内片片 河内音頭・その五  触れ太鼓

拍子をとることを音頭をとるといいます。音頭の魅力は拍子です。 拍子というのは、手拍子とか足拍子とか、いわゆるリズムです。 そしてリズムの基礎を支えるのが、音頭でいえば主として太鼓です。
 日本には、各地にさまざまなふるさと音頭がありますが、太鼓抜きにそれは考えられない。 河内音頭も例外ではありません。
 新河内音頭といいますか、近年の河内音頭は三味線の代わりにエレキギターが入り、 太鼓の代わりにラテン系のパーカッション(打楽器)が入ったりしますが、 もとはといえば日本伝統の和太鼓です。
 その和太鼓が楽器として世界的に注目されている。九〇年代初めでしたか、 日本の和太鼓の草分けともいえる「鬼太鼓座」(おんでこざ)が、ニューヨークをはじめ全米で四〇〇回近くも公演しました。
 その少し前は、やはり代表的な太鼓集団「鼓童」(こどう)が、 現代音楽作曲家・石井真木の太鼓音楽 ― そう、いまでは太鼓音楽という音楽ジャンルが確立しているといっていい、 その太鼓音楽をレパートリーにして、世界中を演奏して回りました。 オーケストラやシンセサイザーとも競演しています。 和太鼓はもう世界の音楽なのです。アメリカでも和太鼓の演奏集団がいくつも生まれています。
 ところで太鼓は、じつは楽器の中で、もっとも純化していない楽器といえるかもしれません。 音階や音程がうまくとれない。しかし、そんなものはおかまいないしに、 ただ音色とリズムの変化だけで勝負する。ここがいいのですね。
 よく、血が騒ぐ、という言い方をしますが、楽器の中でもっともそれをさせるのが太鼓ではないでしょうか。 洗練されていないといっていいかもしれない。野性味があるといっていいかもしれない。 ともかく表現が直接的なのです。心に響くのです。 ここに現代人の人間回復がある、といったら、おおげさに過ぎるでしょうか。
 話が河内音頭から離れてしまいました。河内音頭の太鼓は、 いまではなんでもありの観ですが、あえて標準をいうなら、 筒型の、おおど(大胴)タイプだそうです。 ただしこれは重くて、ひとりで櫓に上げられないので軽い平型に変わりつつあるとも聞きます。
 いずれにしろ、河内音頭は現代人の心に響いてもらわなくてはなりません。 魂を揺さぶってもらわなくてはなりません。 そのうえに、できることなら世界の平和を願う触れ太鼓でもあてほしいものです。

風鈴、店舗に差し込む日差し、庭の蹲(つくばい)
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